ビジネスの世界でよく使われる用語「ほうれんそう」(報告・連絡・相談)については、ほとんどのビジネスマンが知っていると思います。
しかし、今日はこの「ほうれんそう」よりも、マネジメントをする立場の人にとって重要な「おひたし」についてお話しします。
「おひたし」ができていない上司へ
日本のビジネス界では、「ほうれんそう」ができないとダメなビジネスマンとレッテルが貼られますさ。しかし、実際には「ほうれんそう」を求めるくせに、マネジメント基盤となるべき「おひたし」が出来ていない上司が多いのが現実です。
自分のメンバーには「ほうれんそう」を求めているくせに、「おひたし」が出来ていない人が多すぎます。「自分は出来ているか?自分の上司は出来ているか?」などチェックしながらこの記事を読んでください。
「おひたし」が出来ていない上司は、メンバーから信頼を得られないと断言します。
ビジネスでの「おひたし」とは?
- お(怒らない): メンバーが失敗したときや問題が起きたとき、感情的にならず冷静に対処する。
- ひ(否定しない): メンバーの意見や提案を素直に受け入れ、柔軟に対応する。
- た(助ける): メンバーが困っているとき、適切なアドバイスやサポートを提供する。
- し(指示をする): メンバーに対して明確な指示を出すことで、目標に対する方向性を示す。
この4つの要素が備わっている上司は、メンバーからの尊敬と信頼を勝ち取りやすいです。実際、メンバーから信頼されている人は「おひたし」を実践できている方が多い印象です。
「おひたし」が出来ていない人の特徴
日本の50代・60代の多くの男性上司が「おひたし」ができていないというイメージがあります(私の体験談ですので、反対意見も歓迎します)。具体的には、
- 怒りっぽい
- 部下の意見を聞かない
- 自ら問題解決に動かない
- 曖昧な指示を出す
といった特徴が見受けられます。これでは、部下から尊敬されるどころか、人としても評価されにくいでしょう。「俺らの時代は怒られるのが当たり前だ」などと昭和のマネジメント法を押し付ける方々が令和の今でも存在しています。
今から「おひたし」を実践するためには?
自分自身の感情のコントロール
- 感情の自覚: まずは、自分が怒っている、またはストレスを感じていると自覚することが重要です。この自覚がないと、感情のコントロールは始まりません。
- 深呼吸とマインドフルネス: 感情が高ぶった瞬間に、深呼吸をすることで一時的に心を落ち着かせます。また、マインドフルネスのような瞑想テクニックも有効です。
- 状況から一歩離れる: 可能であれば、状況から一時的に身を引くことで、より冷静になれる場合があります。
オススメの動画
冷静な判断力を養う
- 時間をおく: 怒りが頭に来ても、すぐに行動に移さずに少し時間をおきます。これにより、冷静な判断ができる可能性が高まります。少し自分を落ち着かせて考えましょう
- 客観的分析: 状況を客観的に見る力を養うためには、事実と自分の解釈を明確に区別する練習が必要です。これにより、状況をより公平に評価できます。
メンバーとのコミュニケーション
- 定期的なチェックイン: メンバーとの定期的な一対一のミーティングを設定し、その心の状態や業務の進捗を確認します。
- オープンドアポリシー: 随時、メンバーからのフィードバックや相談が来やすい環境を作ることが重要です。
- 伝え方:コミュニケーションにおいて伝える内容も重要ですがそれ以上に「伝え方」が大事です。伝えたい事が相手に伝わる感情で伝えるように心がけましょう。
1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術
フォローアップ
- 進捗確認: 指示を出した後は、進捗を定期的にチェックします。これにより、計画が遅れていないか、または調整が必要かを早めに察知できます。
- フィードバックの提供: メンバーがタスクを完了したら、そのパフォーマンスに対するフィードバックを提供します。これが次のタスクに生かされることで、メンバーのスキル向上にも繋がります。
- 自己調整: フォローアップを通じて、自分自身の指示が適切であったかどうかを反省し、必要な調整を自ら行います。
まとめ:「おひたし」でリーダーシップを高めよう
マネジメントする立場であれば、「ほうれんそう」と同等に大切なのが「おひたし」です。
特に、メンバーとの関係性を良好に保つためには、上司がこの「おひたし」を意識することが不可欠です。怒らない、否定しない、助ける、指示をする――これらを意識して行動することで、より良いマネジメントが可能になります。あなたも今日から「おひたし」を実践して、リーダーシップを高めていきましょう。